デンカの銘柄分析

1. 環境分析

デンカ株式会社は、電子・先端製品、ライフイノベーション、エラストマー・インフラソリューション、ポリマーソリューション、その他のセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：電子・先端製品部門では半導体や電子部品向けの需要が緩やかに回復している。ライフイノベーション部門ではインフルエンザワクチンの需要が増加しているが、POCT検査試薬は減少傾向にある。エラストマー・インフラソリューション部門は需要が低調で、ポリマーソリューション部門は原材料価格の上昇に伴い需要が増加している。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料価格の上昇が影響しており、特に電子・先端製品部門では価格改定が行われている。供給の安定性が求められる中、競争が激化している。
・既存競合他社について：デンカの競合には、同様の製品を提供する国内外の企業が存在し、特に電子部品や化学製品においては競争が厳しい。競合他社は技術革新やコスト削減を進めており、デンカもそれに対抗する必要がある。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に電子・先端製品分野において増加しており、技術革新を武器に市場シェアを狙っている。デンカはブランド力と技術力を活かして競争優位を維持する必要がある。
・代替品について：代替品の存在は、特にポリマーソリューション部門において顕著であり、他の材料や製品が市場に出回ることで、価格競争が激化している。デンカは独自の技術や品質で差別化を図る必要がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高199,054百万円（前年同期比4.0％増）、営業利益9,385百万円（10.9％減）、経常利益5,574百万円（31.1％減）、親会社株主に帰属する中間純利益3,372百万円（48.6％減）となった。前年同期に比べて売上高は増加したが、固定費の増加や為替影響により利益が減少した。業績予想との乖離は、営業利益と経常利益が予想を下回ったことが影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高420,000百万円（前年同期比7.9％増）、営業利益18,000百万円（34.6％増）、経常利益12,000百万円（119.2％増）、親会社株主に帰属する当期純利益9,000百万円（24.7％減）とされている。リスク要因としては、原材料価格の変動、為替リスク、競争の激化が挙げられる。特に、海外市場の動向が業績に与える影響が大きいと考えられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において50.00円の配当が予定されている。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当額の変更がない理由としては、業績の不安定さを考慮し、株主還元を重視しつつも慎重な姿勢を保っているためと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。