ＫＨＣの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は住宅業界に属し、主に注文住宅、分譲用建物、分譲用土地を扱う。セグメント情報は単一であるため、詳細な区分は記載されていない。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：住宅市場は依然として低迷しており、特に持家及び戸建分譲住宅の新設着工戸数が前年同月割れが続いている。インバウンド需要の増加や雇用環境の改善があるものの、個人消費の減速が影響している。
・競争における供給の状況：大手ハウスメーカーは受注状況に明るさが見られるが、棟数での苦戦を一棟単価の上昇で補っている。供給過剰感がある中で、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社は多く、特に大手ハウスメーカーが市場シェアを持っている。競争が激化しているため、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、ニッチ市場を狙った小規模な企業が増加している。特にエコ住宅やスマートハウスなどの新しいトレンドに対応した企業が注目されている。
・代替品について：賃貸住宅やリノベーション住宅が代替品として存在し、特に若年層の間で賃貸の人気が高まっている。これにより、住宅購入の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の売上高は4,552百万円で、前年同期比8.3％減少した。営業利益は181百万円で43.4％減、経常利益は152百万円で49.2％減、親会社株主に帰属する中間純利益は87百万円で54.5％減少した。業績の悪化は、注文住宅の受注悪化による受注残の減少が主な要因である。前期と比較しても大幅な減益となっており、業績予想との乖離も見られる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は変更なしで、売上高11,255百万円、営業利益550百万円、経常利益486百万円、親会社株主に帰属する当期純利益316百万円を見込んでいる。リスク要因としては、地政学リスクの高まりや物価上昇による個人消費の減速が挙げられる。特に、注文住宅の受注回復が見込まれるが、依然として厳しい受注環境が続く可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当額が0円に変更された。これは、業績の悪化に伴い、株主還元を見直す必要があったためである。前期は35円の配当があったが、今期は配当を見送る形となった。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であるものの、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準でないため、株価の反応はネガティブになると考えられる。