エーワン精密の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、コレットチャック部門、切削工具部門、自動旋盤用カム部門の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内製造業全体の機械稼働率が低調であり、特に大手企業の生産が減少しているため、受注が減少傾向にある。新たな工具需要はあるものの、量産部品加工の需要は減少している。
・競争における供給の状況：供給側では、競合他社も同様に受注減少に直面しており、価格競争が激化している。特に、切削工具の再研磨サービスにおいては、顧客の仕事量が減少しているため、供給過剰の状況が見られる。
・既存競合他社について：国内外の競合他社は、技術革新やコスト削減を進めており、特に価格競争が厳しい。大手企業が市場シェアを維持するために、価格を引き下げる動きが見られる。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にオンライン販売を通じて低価格でのサービス提供を行っており、既存企業にとって脅威となっている。
・代替品について：代替品としては、3Dプリンティング技術や新素材の切削工具が挙げられ、これらの技術が普及することで、従来の切削工具の需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年6月期第1四半期の業績は、売上高395百万円、営業利益14百万円、経常利益22百万円、四半期純利益15百万円であった。前年同期比で売上高は2.1%減少し、営業利益は76.6%減少した。特に、切削工具部門の受注減少が影響している。前期との比較では、全体的に業績が悪化しており、業績予想との乖離も見られる。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想では、売上高1,800百万円、営業利益283百万円、経常利益305百万円、当期純利益213百万円を見込んでいる。リスク要因としては、国内製造業の景気低迷や為替レートの変動が挙げられる。特に、米国や中国の経済動向が影響を及ぼす可能性が高い。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年6月期の年間配当金は100円を予定している。前期からの変更はないが、業績の悪化に伴い、将来的な配当の見直しが必要になる可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であるが、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準でないため、株価の反応はネガティブになると考えられる。