セキの銘柄分析

1. 環境分析

セキ株式会社は、印刷関連事業、洋紙・板紙販売関連事業、出版・広告代理関連事業、美術館関連事業、カタログ販売関連事業の5つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：経済活動の正常化やインバウンド需要の増加により、特定のセグメントでは需要が回復しているが、商業印刷物の受注は減少傾向にある。特に、デジタル化の進展が影響している。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇が供給側に影響を与えており、製造コストが増加している。これにより、企業は価格改定を余儀なくされている。
・既存競合他社について：競合他社も同様の原材料費の高騰に直面しており、価格競争が激化している。特に、デジタル印刷やBPO事業に注力する企業が増えている。
・新規参入企業について：デジタル化の進展に伴い、新規参入企業が増加している。特に、デジタルマーケティングやオンラインサービスを提供する企業が目立つ。
・代替品について：デジタルメディアの普及により、印刷物の需要が減少している。特に、広告や情報伝達の手段としてのデジタルコンテンツが代替品としての役割を果たしている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が58億6百万円で前年同期比4.0%増、営業利益は5百万円の損失、経常利益は1億2千1百万円で前年同期比31.4%増、親会社株主に帰属する中間純利益は73百万円で前年同期比0.5%増となった。前期との比較では、売上高は増加したものの、営業利益は改善されていない。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高126億6千万円、営業利益2億円、経常利益4億1千万円、親会社株主に帰属する当期純利益3億2千万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料価格の高騰や円安による影響が挙げられる。また、デジタル化の進展に伴う需要の変化もリスク要因となる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において1株あたり12円の配当を予定している。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当の原資は利益剰余金から支出される。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。