エイベックスの銘柄分析

1. 環境分析

エイベックス株式会社は、音楽、映像、マネジメント、イベント、グッズ販売などのセグメントを持つエンターテインメント企業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産金額は前年同期比13.1％減少しており、映像ソフトの売上も18.9％減少している。これに対し、有料音楽配信は7.6％増加しているが、全体的な需要は厳しい状況にある。
・競争における供給の状況：エンターテインメント業界全体での供給過剰が見られ、特に大型ライヴの公演数が減少していることが影響している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、特に音楽配信サービスの競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は増加しており、特にデジタルコンテンツの配信に特化した企業が目立つ。これにより、価格競争が激化している。
・代替品について：ストリーミングサービスの普及により、従来の音楽パッケージや映像ソフトの需要が減少している。特に若年層の消費行動が変化していることが影響している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高56,131百万円で前年同期比12.8％減少した。営業利益は2,122百万円の損失、経常利益は2,385百万円の損失となり、親会社株主に帰属する中間純利益は1,632百万円で33.6％減少した。前期と比較して、大型ライヴの公演数や音楽パッケージ作品の販売数が減少したことが主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、営業利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,500百万円を見込んでいる。業績回復の根拠としては、特別利益の計上や新たなビジネスモデルの導入が挙げられるが、リスク要因としては市場競争の激化や消費者の嗜好の変化がある。

4. 投資に関する事項

配当は2025年3月期も第2四半期末で25.00円を維持する見込みであり、年間配当は50.00円を予定している。配当額の変更はなく、安定した株主還元を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。