ニチハの銘柄分析

1. 環境分析

ニチハ株式会社は、主に外装材事業を展開している。セグメント情報としては、国内外装材事業と米国外装材事業がある。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内住宅市場は新設住宅着工戸数が前年同期比で0.7％減少し、特に戸建住宅は7.5％の落ち込みが見られた。米国市場でも住宅着工戸数は住宅価格の上昇や金利の高止まりにより一進一退の状況が続いている。
・競争における供給の状況：窯業系外装材のシェアは59.7％に達し、過去最高を記録したが、物流費や資材価格の高騰が影響している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に物価高や為替変動の影響を受けており、特に国内市場では競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、業界全体の競争が厳しいため、新規参入は難しいと考えられる。
・代替品について：代替品の影響は特に顕著ではないが、環境意識の高まりにより、エコ素材の需要が増加している可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高73,019百万円（前年同期比6.7％増）、営業利益3,435百万円（△9.7％減）、経常利益3,235百万円（△38.5％減）、親会社株主に帰属する中間純利益1,829百万円（△45.2％減）であった。売上高は増加したものの、物流費や資材価格の高騰が影響し、利益は減少した。前期との差異として、営業利益は前年同期比で減少している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高148,500百万円（4.0％増）、営業利益7,000百万円（△31.4％減）、経常利益7,300百万円（△38.4％減）、親会社株主に帰属する当期純利益4,500百万円（△44.2％減）とされている。リスク要因としては、物流費の高騰や米国外装材事業の稼働低迷が挙げられ、特に米国市場での売上未達が懸念されている。

4. 投資に関する事項

配当については、年間配当予想は114円で変更はない。業績予想は下方修正されたが、安定的な配当を重視しているため、配当額は維持されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。