興研の銘柄分析

1. 環境分析

興研株式会社は、主にマスク関連事業、環境関連事業、その他事業の3つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：産業向けマスクの需要は製造業の回復や公共事業の増加により堅調に推移しているが、感染対策用マスクの需要は減少傾向にある。特に、コロナウイルスの影響で需要が変動している。
・競争における供給の状況：供給面では、原材料の調達が安定しているものの、製造業の回復に伴い、競争が激化している。特に、マスク関連事業では新規参入企業の影響も見られる。
・既存競合他社について：競合他社は、マスク市場において強力なブランドを持つ企業が多く、価格競争が発生している。特に、国内外の大手企業が市場シェアを争っている。
・新規参入企業について：新規参入企業が増加しており、特に環境関連事業においては新しい技術を持つ企業が参入している。これにより、競争が一層激化している。
・代替品について：代替品としては、布マスクやフィルター付きマスクなどがあり、特に環境意識の高まりから、再利用可能な製品の需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上高7,022百万円（前年同期比5.0％減）、営業利益460百万円（同27.1％減）、経常利益473百万円（同22.5％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益309百万円（同30.4％減）となった。業績の減少は、感染対策用マスクの需要減少と自衛隊装備品防護マスクの納入時期変更が主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上高10,800百万円（前年比2.0％増）、営業利益1,010百万円（同0.2％増）、経常利益1,000百万円（同2.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円（同0.2％減）とされている。リスク要因としては、欧米の高金利や中国経済の不透明感が挙げられ、これらが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当は35.00円であり、前期から変更はない。配当維持の理由は、安定した利益基盤を維持しているためと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。