フィンテック　グローバルの銘柄分析

1. 環境分析

フィンテック グローバル株式会社は、プライベートエクイティ投資や業務受託を中心に事業を展開している。主なセグメントは、投資銀行事業、公共コンサルティング事業、エンタテインメント・サービス事業である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：事業承継問題を抱える企業へのプライベートエクイティ投資の需要が高まっている。特に、地方公共団体からの財務書類作成支援や公共施設マネジメント支援のニーズが増加している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しているが、フィンテック グローバルは専門性を活かし、競争優位性を発揮している。
・既存競合他社について：同業他社は多く存在し、特に大手の投資銀行やコンサルティングファームが競争相手となる。これらの企業は資本力が強く、顧客基盤も広い。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、フィンテック関連のスタートアップが増加しており、特にデジタル化に対応したサービスを提供する企業が注目されている。
・代替品について：代替品としては、他の投資手法やコンサルティングサービスが考えられるが、フィンテック グローバルの提供する専門的なサービスは代替が難しい。

2. 当期業績の内容

2024年９月期の連結業績は、売上高13,807百万円（前期比48.4％増）、営業利益2,569百万円（91.2％増）、経常利益2,461百万円（92.7％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,675百万円（4.5％増）であった。特に、投資銀行事業の成長が顕著であり、航空ビジネスの伸長が寄与した。前期との比較では、売上高が大幅に増加したが、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の影響を受けて増加率が抑えられた。

3. 次期業績予想の内容

2025年９月期の連結業績予想は、売上高12,300百万円（前期比10.9％減）、営業利益3,100百万円（20.6％増）、経常利益3,000百万円（21.9％増）、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円（19.3％増）である。売上高は減少する見込みだが、プライベートエクイティ投資収益や業務受託の増加により、利益率は改善すると予想される。リスク要因としては、為替変動や市場競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年９月期の期末配当は1株当たり1.50円を予定しており、連結配当性向は17.8％となる。次期の期末配当は3.00円に増配する見込みで、連結配当性向は29.4％となる。配当額の変更は、業績の向上と内部留保のバランスを考慮した結果である。

5. 株価予想

上記の業績予想を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。