ニチモウの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は漁業・水産業のビジネスサポーターとして、主に食品事業、海洋事業、機械事業、資材事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：インバウンド需要や外食需要がコロナ前を上回る回復傾向にあるが、物価上昇により個人消費は弱含み。特に食品事業は年末商戦に向けた需要が期待される。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰が影響しており、製品価格への転嫁が進んでいる。特に資材事業では価格改定が順調に進展している。
・既存競合他社について：競合他社も同様にインバウンド需要を取り込む動きが見られ、特に食品事業においては競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、漁業・水産業の成長が期待される中で新たな競争が生まれる可能性がある。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、健康志向の高まりにより植物由来の代替食品が注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高61,607百万円、営業利益1,230百万円であり、前年同期比で売上高は0.4%の増加、営業利益は1.2%の減少となった。主力の食品事業は堅調に推移したが、海洋事業は気候変動の影響で低調だった。機械事業は大型案件の納入が下期に持ち越され、全体としては前期並みの業績で着地した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高135,000百万円、営業利益3,400百万円を見込んでいる。主力の食品事業は年末商戦に向けた需要が期待され、機械事業も大型案件の納入完了により増益が見込まれる。ただし、物価高による個人消費の停滞がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は2025年3月期も年間90円を予定しており、中間配当45円、期末配当45円の見込み。前期からの変更はないが、年末商戦の結果次第で期末配当の上積みを検討する可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいと考えられる。