三社電機製作所の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は半導体事業と電源機器事業の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界経済の不透明感が強まる中、特に中国の不動産市場の低迷が影響を及ぼしている。国内ではエネルギー価格の高止まりが個人消費に影響を与え、設備投資も活発ではない。半導体事業ではユーザーの在庫調整が続き、需要が減少している。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体の供給過剰が続いており、特にパワーモジュールやパワーディスクリートの需要が減少している。電源機器事業でも、主力製品の需要が落ち込んでいる。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、価格競争が激化している。特に、半導体業界では新興企業の台頭も見られ、競争が一層厳しくなっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に技術革新を背景にしたスタートアップが増えており、既存企業にとって脅威となっている。特にカーボンニュートラル関連の技術を持つ企業が注目されている。
・代替品について：代替品の存在は、特に電源機器事業において顕著であり、他のエネルギー供給手段や新技術が市場に浸透している。これにより、価格競争が一層激化している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が116億2千8百万円で前年同期比15.8％減少した。営業利益は2億9百万円で81.4％減少、経常利益は3億2千3百万円で72.4％減少、親会社株主に帰属する中間純利益は1億2千6百万円で84.6％減少した。前期との比較では、特に半導体事業の減収が大きな要因となっている。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高が255億円で前年同期比17.8％減少、営業利益は4億円で88.3％減少、経常利益は5億円で85.6％減少、親会社株主に帰属する当期純利益は3.5億円で88.2％減少と見込まれている。リスク要因としては、世界経済の不透明感、特に中国市場の動向、エネルギー価格の高止まり、競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において10円の配当が予定されている。通期では、配当額が30円から40円に変更される見込みであり、その理由は業績の悪化に伴う株主還元の見直しである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」となるが、現状の業績悪化を考慮すると下落が見込まれる。