第一実業の銘柄分析

1. 環境分析

第一実業株式会社は、プラント・エネルギー事業、エナジーソリューションズ事業、産業機械事業、エレクトロニクス事業、自動車事業、ヘルスケア事業、航空・インフラ事業の7つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界的な半導体需要の回復やインバウンド需要の拡大が見られ、特にリチウムイオン電池製造設備の需要が高まっている。国内外のプラント用設備の需要も増加しており、全体的に需要は堅調である。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の価格高騰や人手不足が影響を及ぼしているが、企業は効率化やコスト削減に取り組んでいる。特に、エネルギー関連の供給は安定している。
・既存競合他社について：競合他社は、特にエネルギー関連やプラント設備の分野で強力なプレイヤーが多く、価格競争が激化している。技術革新が競争優位性を左右する要因となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にエネルギー効率や環境配慮型の技術を持つ企業が増えており、競争が一層激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、再生可能エネルギーや新素材の利用が進んでおり、これらが従来のプラント設備に取って代わる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高101,288百万円（前年同期比28.8％増）、営業利益6,126百万円（98.0％増）、経常利益6,214百万円（104.9％増）、親会社株主に帰属する中間純利益4,290百万円（74.1％増）であった。前年同期に比べて大幅な増収増益を達成した要因は、海外向けのリチウムイオン電池製造設備の売上計上や国内外向けプラント用設備の売上増加である。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高200,000百万円（前期比6.5％増）、営業利益10,000百万円（10.0％増）、経常利益10,300百万円（14.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益7,300百万円（△2.2％減）である。業績予想の根拠は、引き続きリチウムイオン電池関連の需要が堅調であること、国内外のプラント設備の需要が見込まれることにある。ただし、地政学リスクや物価高、消費への影響がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末の配当金は41.00円であり、前期からの変更がある。次期の配当予想は36.00円で、合計77.00円となる見込みである。配当額の変更理由は、業績の向上に伴う株主還元の一環である。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が好調であり、次期業績予想も堅調であるため、株価は上昇基調を維持する可能性が高い。