東京都競馬の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、主に公営競技事業、遊園地事業、倉庫賃貸事業、サービス事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：公営競技事業は、インターネット投票サービスの普及により需要が堅調に推移している。遊園地事業は新プールのオープンや広告宣伝の強化により集客が増加している。倉庫賃貸事業は高い稼働率を維持しているが、テナント数の減少が見られる。サービス事業は新施設のオープンにより売上が寄与している。
・競争における供給の状況：競合他社も同様のサービスを提供しており、特に公営競技事業では他の競馬場やオートレース場との競争が激化している。遊園地事業では新たなアトラクションの導入が求められている。倉庫賃貸事業では新規参入が見込まれる。
・既存競合他社について：公営競技事業では、他の地方競馬場や中央競馬が競合となる。遊園地事業では、他の遊園地やレジャー施設が競争相手であり、特に夏季の集客が重要である。倉庫賃貸事業では、地域内の他の倉庫業者との競争が存在する。
・新規参入企業について：公営競技事業においては新たな競馬場の設立が難しいが、遊園地事業や倉庫賃貸事業では新規参入が見込まれる。特に、遊園地事業では新しいテーマパークの開発が進んでいる。
・代替品について：公営競技事業においては、他のギャンブル（パチンコ、競輪など）が代替品となる。遊園地事業では、映画館やショッピングモールなどの娯楽施設が代替品となる。倉庫賃貸事業では、物流業者による自社倉庫の利用が代替手段となる。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高30,216百万円（前年同期比8.1％増）、営業利益10,855百万円（同3.6％増）、経常利益10,836百万円（同3.3％増）、親会社株主に帰属する四半期純利益7,594百万円（同19.0％増）であった。前年同期に計上した耐震工事関連費用が今期は発生していないことが、純利益の増加に寄与した。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期通期の業績予想は、売上高40,047百万円（前期比6.7％増）、営業利益12,349百万円（同7.6％減）、経常利益12,341百万円（同7.8％減）、親会社株主に帰属する当期純利益8,674百万円（同2.6％増）である。業績予想の根拠としては、インターネット投票サービスの成長や新規施設の稼働が挙げられるが、リスク要因としては海外情勢や物価上昇による影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の期末配当金が60.00円（前期比増配）に設定されており、合計で100.00円となる見込みである。増配の理由は、創立75周年記念配当としての特別配当が含まれているためである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。