アルペンの銘柄分析

1. 環境分析

株式会社アルペンは、スポーツ関連商品の小売業を主なビジネスとしており、セグメント情報にはゴルフ用品、競技・一般スポーツ用品、スポーツライフスタイル用品、アウトドア用品が含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済は緩やかな回復基調にあり、特にインバウンド需要の拡大が影響している。消費者の選別傾向が強まる中、競技・一般スポーツ需要は回復しており、パリオリンピックの開催がスポーツへの関心を高めている。
・競争における供給の状況：競合他社も新製品の投入や価格競争を行っており、特に中古クラブの販売が拡大している。供給側の競争は激化しているが、需要の回復により市場全体は活性化している。
・既存競合他社について：スポーツ用品小売業界には多くの競合が存在し、特に大手チェーンが強い影響力を持っている。競合他社は、商品ラインナップの多様化や価格戦略を強化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、オンライン販売の拡大により新たな競争相手が出現する可能性がある。特に、ECサイトを通じた販売が増加している。
・代替品について：代替品としては、スポーツ用品以外のレジャー用品やフィットネス関連商品が挙げられる。消費者の嗜好が多様化する中で、代替品の影響が強まっている。

2. 当期業績の内容

2025年6月期第1四半期の売上高は62,362百万円で前年同期比5.6％増加した。営業利益は794百万円で前年同期は営業損失644百万円から改善した。経常利益は1,279百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は804百万円で、前年同期はそれぞれ経常損失254百万円、純損失245百万円であった。業績の改善は、在庫状況の改善と販売面の堅調な推移によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2025年6月期の業績予想は変更なし。通期の売上高は268,000百万円、営業利益は6,300百万円を見込んでいる。リスク要因としては、物価高や海外経済の減速が挙げられ、これが消費者の購買意欲に影響を与える可能性がある。また、競争の激化も業績に影響を及ぼす要因となる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年6月期の予想配当は25.00円で、前期から変更はない。株主還元の方針は維持されており、安定した配当を継続する意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。