イーエムネットジャパンの銘柄分析

1. 環境分析

株式会社イーエムネットジャパンは、インターネット広告事業を主なビジネスセグメントとしている。競争環境において、以下の状況が見られる。
・競争における需要の状況：インターネット広告市場は、コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりやデジタルプロモーション市場の拡大により成長を続けている。2023年の市場規模は前年比107.8％の3兆3,330億円に達している。
・競争における供給の状況：多くの企業がデジタル広告市場に参入しており、競争が激化している。特に中小企業向けの広告サービスを提供する企業が増加している。
・既存競合他社について：主要な競合には、他のインターネット広告代理店や大手広告会社が存在し、特にデジタル領域での競争が顕著である。
・新規参入企業について：新たに参入する企業も多く、特にテクノロジーを活用した広告配信サービスを提供するスタートアップが増加している。
・代替品について：SNS広告や検索エンジン広告など、他のデジタル広告手法が代替品として存在し、消費者の注意を引くための競争が続いている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、営業収益971百万円（前年同期比4.8％減）、営業利益10百万円（前年同期比80.8％減）、経常利益12百万円（前年同期比80.8％減）、四半期純利益4百万円（前年同期比89.7％減）となった。前年同期と比較して、特に営業利益と純利益の減少が顕著であり、これは主に中小企業の景況感の悪化による広告需要の低迷が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、営業収益1,406百万円（前年比2.7％増）、営業利益120百万円（前年比7.5％増）、経常利益121百万円（前年比1.1％増）、四半期純利益83百万円（前年比14.1％増）とされている。リスク要因としては、物価高による内需低迷や中小企業の景況感の悪化が挙げられ、これが広告需要に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の期末配当予想は未定であり、前期からの変更はない。株主還元に関しては、配当金の支払いが行われているが、業績の悪化に伴い、今後の配当方針については慎重な判断が求められる。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。