長谷川香料の銘柄分析

1. 環境分析

長谷川香料株式会社は、香料業界において食品部門とフレグランス部門の2つの主要セグメントを持つ。食品部門は、食品用香料の開発・製造・販売を行い、フレグランス部門は、化粧品や日用品向けの香料を提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場は成熟化が進んでおり、消費者の嗜好が多様化しているため、品質や独自性を求める需要が高まっている。特に、健康志向や自然派志向の高まりが影響している。
・競争における供給の状況：競合他社も高品質な製品を提供しており、価格競争が激化している。原材料の価格高騰が供給コストに影響を与えている。
・既存競合他社について：国内外の大手香料メーカーが存在し、特に海外企業の進出が目立つ。競争が激化する中で、差別化された製品の開発が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、ニッチ市場を狙った小規模な企業が増加している。これにより、特定の消費者ニーズに応える製品が増えている。
・代替品について：合成香料や天然香料の代替品が市場に出回っており、特に天然素材を使用した製品が人気を集めている。消費者の環境意識の高まりが影響している。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の売上高は71,645百万円で、前期比10.4％の増加。営業利益は9,371百万円で24.8％増、経常利益は9,723百万円で18.8％増、親会社株主に帰属する当期純利益は7,201百万円で7.9％増加した。前期の業績は、原材料価格の高騰や為替差損の影響を受けたが、売上の増加とコスト管理の改善により、業績は好調に推移した。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の売上高は74,300百万円（前期比3.7％増）、営業利益は9,970百万円（6.9％増）、経常利益は10,450百万円（7.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益は7,580百万円（5.2％増）を見込んでいる。リスク要因としては、原材料価格の変動、為替リスク、国際情勢の不安定さが挙げられる。特に、為替の影響が業績に与える影響は大きいと考えられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年9月期の年間配当は1株当たり70円（中間配当31円、期末配当39円）を決定した。配当性向は40.0％であり、前期からの増配となる。内部留保は設備投資やグローバル展開に使用される予定。次期の年間配当は1株当たり74円を予定している。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場環境や競争状況を考慮すると、安定した株価推移が期待される。