全国保証の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の経済は緩やかに回復しており、住宅ローン市場は堅調に推移している。政府の住宅取得支援策が影響し、個人消費も持ち直しの動きが見られるが、物価高の影響で一部に足踏みが残る。
・競争における供給の状況：住宅市場では建築資材価格の高止まりや人件費の高騰が影響し、新設住宅着工戸数は低調である。これにより、住宅ローンの需要は安定しているが、供給側の圧力がかかっている。
・既存競合他社について：競合他社はM&Aや新規事業の展開を進めており、特に保証事業においては他社との差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業はデジタルツールを活用したサービス提供を行っており、特にインターネット専業銀行との提携が進んでいる。
・代替品について：代替品としては、他の金融商品や保証サービスが考えられ、特に低金利の影響で消費者の選択肢が広がっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、営業収益が22,062百万円（前年同期比4.2％増）、営業利益が14,892百万円（前年同期比3.6％減）、経常利益が16,437百万円（前年同期比1.2％減）、親会社株主に帰属する中間純利益が12,020百万円（前年同期比0.1％増）であった。営業利益の減少は、営業費用の増加が主な要因である。前期との比較では、営業収益は増加したものの、利益面では減少が見られた。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、営業収益55,700百万円（前期比7.9％増）、営業利益40,600百万円（前期比3.8％増）、経常利益43,200百万円（前期比3.9％増）、親会社株主に帰属する当期純利益30,000百万円（前期比4.2％増）とされている。業績成長の根拠としては、住宅ローン市場の安定した需要と、政府の支援策が挙げられる。一方、リスク要因としては、海外経済の不透明感や金利の上昇が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は197.00円であり、前期の170.00円から増加する見込みである。配当額の増加は、業績の改善を反映したものであり、株主還元の強化を図る意図がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。