メガチップスの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業はASIC（顧客専用LSI）およびASSP（特定用途向けLSI）を主力とする半導体メーカーであり、アミューズメント事業や通信分野、産業機器分野においても展開している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：世界的な半導体需要はAIやIoT技術の進展により拡大しているが、ASIC市場では一時的な在庫調整が影響している。特にアミューズメント分野では需要が減少している。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体業界全体での供給過剰感が見られ、特にASICにおいては競争が激化している。供給者はコスト削減や技術革新を進めている。
・既存競合他社について：競合他社は、特にAIやIoT関連の技術を強化しており、ASIC市場でも新たな製品を投入している。競争が激化する中で、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にAI関連のスタートアップが増加しており、技術革新を武器に市場に挑戦している。これにより、既存企業はさらなる競争圧力に直面している。
・代替品について：代替品としては、汎用プロセッサやFPGA（フィールドプログラマブルゲートアレイ）が挙げられ、特に特定用途向けのニーズに応じた製品が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高24,853百万円（前年同中間期比31.9％減）、営業利益1,779百万円（同52.2％減）、経常利益1,943百万円（同24.2％減）、親会社株主に帰属する中間純利益は3,066百万円（同81.5％増）となった。売上高の減少はアミューズメント事業の需要減少によるもので、営業利益の大幅な減少はコスト構造の見直しが必要であることを示唆している。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は、SiTime Corporation株式の売却益が寄与した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高52,000百万円（前年対比10.3％減）、営業利益4,000百万円（同27.1％減）、経常利益4,000百万円（同15.7％増）、親会社株主に帰属する当期純利益5,000百万円（同11.4％増）とされている。業績予想の根拠は、ASIC事業の受託開発売上の堅調な推移と、AIやIoT技術の進展による新規事業の立ち上げに期待が寄せられていることにある。ただし、アミューズメント事業の需要減少や原材料価格の上昇がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の予想配当金は120円であり、前期からの増加が見込まれている。配当額の変更理由は、安定した収益基盤を維持しつつ、株主還元を重視する方針に基づいている。特別配当は60円を予定しており、利益配分に関する基本方針に従っている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。