北越工業の銘柄分析

1. 環境分析

北越工業は、建設機械事業と産業機械事業の2つのセグメントで構成されている。建設機械事業はエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などを扱い、産業機械事業はモータコンプレッサ、非常用発電機、部品、サービスを提供している。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内ではインバウンド需要の回復により建設工事が活発化しており、高所作業車の需要が増加している。一方、海外では北米市場での在庫調整が影響し、エンジン発電機の出荷が伸び悩んでいる。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰が続いており、供給側はコスト上昇に直面している。企業は販売価格の見直しを進めているが、競争が激化しているため、価格転嫁が難しい状況も見受けられる。
・既存競合他社について：競合他社も同様に原材料価格の高騰に苦しんでおり、価格競争が激化している。特に、国内市場では大手企業が強い影響力を持っている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、技術革新や新製品の投入により競争が激化する可能性がある。特に、環境配慮型の製品が注目されている。
・代替品について：代替品としては、電動機械や新エネルギー機器が挙げられ、特に環境意識の高まりにより需要が増加している。これにより、従来の機械に対する需要が減少する可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高が27,499百万円で前年同期比6.6%増加した。営業利益は3,913百万円で8.8%の増加を記録したが、経常利益は3,449百万円で18.0%減少し、親会社株主に帰属する中間純利益は2,394百万円で18.2%減少した。経常利益の減少は、為替差損や原材料価格の高騰が影響している。前期との乖離は、売上高は増加したものの、利益面での減少が目立つ結果となった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高56,000百万円、営業利益7,130百万円、経常利益7,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,100百万円とされている。リスク要因としては、原材料価格のさらなる高騰や、海外市場の不透明感が挙げられる。特に、米国の金利政策や中国の経済動向が影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の年間配当は1株当たり57円を予定しており、前期と同水準である。中間配当は1株当たり20円とされており、安定した配当政策を維持している。配当の維持は、企業の収益力向上に向けた内部留保の活用と、株主還元のバランスを考慮した結果である。

5. 株価予想

上記を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。