ＴＢＫの銘柄分析

1. 環境分析

株式会社TBKは、トラック製造業界に属し、主に日本国内およびアジア、北米市場で事業を展開している。セグメント情報としては、日本、アジア、中国、北米の4つの地域に分かれている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内では半導体不足の緩和により、バックオーダーが解消されつつあるが、2024年問題の影響で需要は減速している。特に普通トラックの登録台数は前年同期比で増加しているものの、全体的な需要は不透明感が漂っている。
・競争における供給の状況：供給側では、各社が新型モデルへの移行を進めているが、原材料やエネルギー価格の上昇が影響している。これにより、販売価格への転嫁が求められている。
・既存競合他社について：国内外の競合他社は、技術革新やコスト削減を進めており、特にアジア市場では価格競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特に電動トラックなどの新技術を持つ企業が注目されている。これにより、既存企業は競争力を維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：代替品としては、電動車両や公共交通機関の利用促進が挙げられ、特に環境意識の高まりから需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高26,803百万円（前年同期比3.3％減）、営業利益62百万円（前年同期比70.8％減）、経常損失213百万円、親会社株主に帰属する中間純損失1,240百万円となった。前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益68百万円であったため、業績は大きく悪化している。主な要因は、米国子会社における生産停止とインド子会社への生産移管による減損損失および事業再編損が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期連結業績予想は、売上高54,000百万円（前年同期比4.7％減）、営業利益800百万円（前年同期比11.4％減）、経常利益200百万円（前年同期比76.2％減）、親会社株主に帰属する当期純利益は1,200百万円の損失と予想されている。業績予想の修正は、米国子会社の生産停止に伴う特別損失の計上が主な理由である。リスク要因としては、原材料価格の変動や市場競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末配当金は4.00円であり、前年同期の5.00円から減少している。配当額の変更理由は、業績悪化に伴う利益剰余金の減少である。次期の配当予想も同様に4.00円であり、株主還元の方針が見直されている。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。市場の不透明感や競争環境の厳しさが影響し、急激な株価変動は見込まれない。