かどや製油の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外でのごま油や食品ごまの需要は、外食産業の回復やインバウンド需要の影響を受けているが、生活必需品の値上がりにより個人消費は抑制されている。特に、家庭用市場では消費者の節約志向が強まっている。
・競争における供給の状況：原材料費の高止まりや人手不足が影響し、供給コストが上昇している。企業は効率化やコスト削減に取り組んでいるが、依然として厳しい状況が続いている。
・既存競合他社について：ごま油市場には複数の競合が存在し、価格競争が激化している。特に、価格是正を行った企業が多く、競争が一層厳しくなっている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は見られないが、既存企業が新商品開発やマーケティングに力を入れているため、競争は依然として高い。
・代替品について：植物油や他の調味料が代替品として存在し、特に健康志向の高まりからオリーブオイルなどの需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高19,669百万円（前年同期比9.1%増）、営業利益2,009百万円（1.5%増）、経常利益2,064百万円（5.4%減）、親会社株主に帰属する中間純利益1,402百万円（3.7%減）となった。売上高は前年同期比で増加したが、経常利益と純利益は減少した。これは、原材料費の高騰や人件費の増加が影響している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高38,500百万円（7.9%増）、営業利益2,500百万円（19.7%減）、経常利益2,600百万円（23.7%減）、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円（11.3%減）とされている。リスク要因としては、原材料価格の変動や為替レートの影響、消費者の節約志向の継続が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当額は0.00円であり、通期予想では85.00円に設定されている。配当額の変更理由は、業績の変動に伴うものであり、株主還元を重視しつつも、企業の成長戦略に基づいた配当政策を維持している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。