栗本鐵工所の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内外の経済回復に伴い、特に機械システム事業において需要が増加している。電力・鉄鋼向けの案件が好調であり、ライフライン事業でも一部の部門で売上が増加している。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰が続いており、供給コストが上昇している。これにより、企業はコストダウン活動を強化している。
・既存競合他社について：競合他社も同様にコストダウンや営業活動の強化を進めており、競争が激化している。特に、機械システム事業においては、他社との価格競争が影響を及ぼしている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は見られるが、既存の大手企業に対抗するには技術力や資本力が必要であり、参入障壁は高い。
・代替品について：代替品の影響は限定的であるが、特にエネルギー関連の代替技術が進展しており、今後の市場に影響を与える可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高58,911百万円で前年同期比1.7%減少した。営業利益は2,967百万円で19.6%減少、経常利益は3,192百万円で20.8%減少、親会社株主に帰属する中間純利益は2,502百万円で13.2%減少した。前期に比べて売上高が減少した主な要因は、ライフライン事業と産業建設資材事業の売上が減少したことにある。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高124,000百万円で前年同期比1.5%減少、営業利益7,000百万円で6.2%減少、経常利益7,200百万円で7.9%減少、親会社株主に帰属する当期純利益は5,500百万円で0.5%増加する見込み。業績予想の根拠は、機械システム事業の需要増加とコストダウン活動の効果である。ただし、原材料価格の高騰や国際情勢の不安定さがリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末に104.00円を予定しており、次期には125.00円に増配される見込みである。増配の理由は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上によるものである。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。