英和の決算短信<2025年３月期 第２四半期（中間期）決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

英和株式会社は、工業用計測制御機器、環境計測・分析機器、測定・検査機器、産業機械等を扱う企業である。以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の緩やかな回復に伴い、個人消費やインバウンド需要が増加している。特に、化学業界や電力業界においては、老朽化した設備の更新需要が高まっている。
・競争における供給の状況：石油製品の需要減少や中国企業のエチレン設備の能力増強により、基礎化学品の供給過剰が続いている。これにより、需給バランスが乱れ、価格競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社は、同様の製品を提供しており、特にデジタル技術を活用した生産性向上を目指す企業が増えている。競争が激化する中で、差別化が求められている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にデジタル技術や環境関連技術に強みを持つ企業が多く、競争が一層厳しくなる可能性がある。
・代替品について：代替品としては、低コストの海外製品や新技術を用いた製品が増えており、価格競争が影響を及ぼしている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高201億95百万円（前年同期比5.2%増）、営業利益10億87百万円（同21.7%増）、経常利益11億18百万円（同18.3%増）、親会社株主に帰属する中間純利益8億29百万円（同32.5%増）であった。前年同期に比べて、特に営業利益と純利益の増加が顕著であり、収益性が向上した要因として、高付加価値営業の強化が挙げられる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期連結業績予想は、売上高44,000百万円（前期比1.6%増）、営業利益2,350百万円（同1.1%増）、経常利益2,410百万円（同0.5%減）、親会社株主に帰属する当期純利益1,680百万円（同0.7%増）である。リスク要因としては、原材料価格の高騰や地政学的リスク、為替相場の変動が挙げられ、これらが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末において35.00円の配当を予定しており、前期からの増配となる。増配の理由は、業績の向上に伴う利益の増加であり、株主還元を重視した方針が反映されている。

5. 株価予想

上記の業績や市場環境を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。