イリソ電子工業の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動車市場においては、EVの販売不振や日本での認証不正問題が影響し、需要が減少している。特に、中国や欧米市場でのEV販売の低迷が顕著であり、これが全体の売上に影響を与えている。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料価格の高騰が企業のコスト構造に影響を及ぼしており、利益率の低下を招いている。また、供給チェーンの混乱も影響している可能性がある。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、特にEV関連企業が増加している中で、競争が激化している。各社はコスト削減や新技術の開発に注力している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にEV市場において増加しており、テクノロジー企業やスタートアップが新たな競争相手となっている。これにより、既存企業は競争力を維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：代替品としては、従来の内燃機関車両や新興の電動バイクなどが挙げられ、これらが市場シェアを奪う可能性がある。特に、環境意識の高まりにより、代替品の需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が271億5千9百万円で前年同期比3.5%減少した。営業利益は21億1千9百万円で36.1%減、経常利益は18億2千万円で55.8%減、親会社株主に帰属する中間純利益は10億8千9百万円で65.6%減少した。業績の悪化は、EV販売不振や原材料価格の高騰が主な要因である。前期との比較では、売上高が減少し、利益も大幅に減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高54,000百万円で前年同期比2.3%減、営業利益4,300百万円で27.6%減、経常利益4,300百万円で40.2%減、親会社株主に帰属する当期純利益は2,750百万円で50.8%減を見込んでいる。業績予想の修正は、主に市場環境の厳しさを反映したものであり、特にEV市場の回復が見込まれない限り、リスク要因としては原材料価格の変動や競争の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において配当金は0円であり、通期では100円を予想している。配当額の変更は、株主還元の一環として自己株式の取得を行うためであり、資本効率の向上を図る狙いがある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。