ナブテスコの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動ドアや航空機器、舶用機器においては需要が好調であり、特に航空機器は防衛費の増額に伴い需要が拡大している。一方、精密減速機や油圧機器に関しては、EV関連設備投資の減少や建設機械需要の低迷が影響している。
・競争における供給の状況：供給側では、特に精密減速機の供給が過剰気味であり、競争が激化している。自動ドアや航空機器に関しては、競争が比較的緩やかであるが、技術革新が求められている。
・既存競合他社について：ナブテスコの競合には、同様の製品を提供する企業が多数存在し、特に精密減速機市場では競争が厳しい。トランスポートソリューション事業においては、国内外の大手企業が競合している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特に技術革新を持つスタートアップが注目されており、今後の市場に影響を与える可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の駆動装置や自動化機器が挙げられ、特に精密減速機の代替としては、より安価な製品が市場に出回っている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の業績は、売上高229,830百万円で前年同期比5.6%減少した。営業利益は9,634百万円で25.6%減少し、税引前利益は9,940百万円で52.8%減少した。親会社の所有者に帰属する四半期利益は5,659百万円で57.4%減少した。業績の悪化は、精密減速機の需要減少や油圧機器の市場低迷が主な要因である。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上高323,700百万円で前年同期比3.0%減少、営業利益は13,500百万円で22.3%減少、税引前利益は14,700百万円で42.6%減少、親会社の所有者に帰属する当期利益は9,300百万円で36.1%減少と見込まれている。リスク要因としては、EV関連設備投資のさらなる減少や、国際的な経済情勢の不安定さが挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は2024年12月期も40.00円を予定しており、年間配当金は80.00円となる見込みである。配当額の変更はなく、安定した株主還元を維持する方針である。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。