早稲田アカデミーの決算短信<2025年３月期 第２四半期（中間期）決算短信〔日本基準〕（連結）>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本の学習塾業界は、大学入試制度改革や教育環境のデジタル化が進む中で、個別指導やオンライン学習の需要が高まっている。特に、難関校を目指す生徒の増加が見込まれ、質の高い教育サービスの提供が求められている。
・競争における供給の状況：多くの学習塾が存在し、各社が独自の教育プログラムや指導方法を提供している。特に、ICTを活用した教育サービスの導入が進んでおり、競争が激化している。
・既存競合他社について：主要な競合には、河合塾や駿台予備学校などがあり、彼らは長年の実績とブランド力を持つ。これらの企業は、受験指導において強い影響力を持ち、顧客の信頼を得ている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、オンライン教育プラットフォームやアプリを通じて、低コストでの教育サービスを提供するケースが増えている。これにより、従来の学習塾に対する脅威が高まっている。
・代替品について：家庭教師やオンライン学習サービスが代替品として存在し、特にコストや利便性を重視する家庭に選ばれる傾向がある。これにより、従来の学習塾の需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高16,972百万円（前年同期比6.2％増）、営業利益1,499百万円（前年同期比9.2％増）、経常利益1,496百万円（前年同期比6.4％増）、親会社株主に帰属する中間純利益914百万円（前年同期比8.9％減）となった。前年同期に比べて売上は増加したものの、純利益は減少した。これは、広告宣伝費や人件費の増加が影響していると考えられる。業績予想との乖離は特に見られなかった。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高34,741百万円（前年比5.7％増）、営業利益2,966百万円（前年比2.7％増）、経常利益3,003百万円（前年比1.8％増）、親会社株主に帰属する当期純利益1,927百万円（前年比9.6％減）とされている。業績の成長は、受験指導の質の向上や新規校の開校による生徒数の増加に基づいている。ただし、広告宣伝費やICT関連費用の予算執行が後ろ倒しになる可能性があり、これがリスク要因となる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末配当金が15円、期末配当金が40円（記念配当10円を含む）とされている。前期からの変更点として、記念配当が新たに設定されたことが挙げられる。これは、創業50周年を記念したものであり、株主還元の意向を示している。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。