積水化学工業の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の新築住宅需要は低迷しているが、エレクトロニクス市場や米国の建築・消費財需要は堅調であり、高付加価値品の販売が拡大している。特に、半導体関連や建築・消費財の需要が回復基調にある。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料費の上昇が影響を及ぼしているが、企業は固定費の抑制やスプレッドの確保に努めている。特に高機能プラスチックス分野では、為替の影響もあり、販売が拡大している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に高付加価値品の販売を強化しており、特にエレクトロニクス関連企業が競争を激化させている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、エレクトロニクスや環境関連の分野では新たな競争が予想される。
・代替品について：代替品の影響は限定的だが、特に環境に配慮した製品の需要が高まっており、企業はこれに対応する必要がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高629,054百万円（前年同期比＋2.9％）、営業利益48,723百万円（前年同期比＋18.4％）、経常利益48,142百万円（前年同期比△6.6％）、親会社株主に帰属する中間純利益42,925百万円（前年同期比△3.4％）であった。売上高は過去最高を更新したが、経常利益と純利益は為替差損益の影響で減少した。前期と比較して、営業利益は増加したが、経常利益は減少している。業績予想との乖離は、経常利益が予想通りであったが、純利益が若干の減少を見せた。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高1,308,700百万円（前年比＋4.2％）、営業利益105,000百万円（前年比＋11.2％）、経常利益102,500百万円（前年比△3.2％）、親会社株主に帰属する当期純利益78,000百万円（前年比＋0.1％）とされている。高付加価値品の拡販や住宅事業の収益性強化策が順調に進捗していることが根拠である。ただし、為替の円高リスクが懸念されており、これが業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の年間配当金は75円（中間37円、期末38円）を予定しており、前期から変更はない。配当の維持は、安定した利益基盤を背景にしたものであり、株主還元の姿勢を示している。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。