ＺＯＺＯの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内ファッション市場は物価上昇の影響を受けつつも、賃上げやインバウンド消費が需要を支えている。特に、ファッション関連の消費意欲は底堅く、EC市場の成長が続いている。
・競争における供給の状況：多様なブランドが参入しており、特にオンラインプラットフォームを通じた販売が増加している。ZOZOは新規ブランドの誘致を進めており、競争力を維持している。
・既存競合他社について：楽天やアマゾンなどの大手ECサイトが競合として存在し、価格競争やサービスの向上が求められている。また、ファッション専門のECサイトも増加している。
・新規参入企業について：新興ブランドや海外ブランドが日本市場に進出しており、特にSNSを活用したマーケティングが効果を上げている。これにより、消費者の選択肢が広がっている。
・代替品について：実店舗での購入や他のECサイトでの購入が代替品として存在する。特に、実店舗での体験を重視する消費者も多く、オンラインとオフラインの融合が進んでいる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高98,801百万円（前年同期比9.5％増）、営業利益30,475百万円（同5.3％増）、経常利益30,513百万円（同4.8％増）、親会社株主に帰属する中間純利益21,130百万円（同4.0％増）となった。前年同期比での成長は、広告事業の成長や送料収入の増加が寄与している。前期との比較では、売上高は増加したが、営業利益率は若干の低下を見せている。業績予想との乖離は特に見られない。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高214,400百万円（前年同期比8.8％増）、営業利益64,200百万円（同6.9％増）、経常利益64,200百万円（同7.4％増）、親会社株主に帰属する当期純利益45,200百万円（同1.9％増）とされている。成長の根拠としては、ユーザー数の拡大や新規ブランドの導入、広告事業の成長が挙げられる。一方で、為替相場の不安定さや国際情勢の影響がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末に53.00円を予定しており、前期の49.00円からの増加が見込まれている。次期の配当予想は54.00円で、合計107.00円となる。配当の増加は、業績の向上に伴う株主還元の一環として行われる。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。