大成建設の銘柄分析

1. 環境分析

大成建設株式会社は、土木事業、建築事業、開発事業、その他のセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済は個人消費や設備投資の回復により、建設市場においても民間投資が持ち直している。政府の防災・減災対策による公共投資も堅調で、建設投資全体は増加基調にある。
・競争における供給の状況：建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫が続いており、コスト上昇圧力が企業の利益を圧迫している。供給側の厳しい環境が影響している。
・既存競合他社について：大手建設会社が多く存在し、競争が激化している。特に、技術力やコスト競争力が求められる中で、各社の差別化が重要な要素となっている。
・新規参入企業について：新規参入は難しいが、特定のニッチ市場においては新興企業が参入する可能性がある。特に、環境関連やITを活用した建設技術に注目が集まっている。
・代替品について：代替品としては、プレファブ建築や3Dプリンティング技術が挙げられる。これらはコスト削減や工期短縮に寄与する可能性があり、従来の建設方法に影響を与える。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が952,298百万円で前年同期比29.0％増、営業利益は40,533百万円で同210.2％増、経常利益は49,748百万円で同171.8％増、親会社株主に帰属する中間純利益は44,849百万円で同201.5％増となった。前期との比較では、特に営業利益の大幅な増加が目立つ。業績予想との乖離は、全体的に好調な進捗を示している。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高1,990,000百万円、営業利益87,000百万円、経常利益97,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益83,000百万円を見込んでいる。リスク要因としては、建設資材価格の高止まりや労務需給の逼迫が挙げられ、これがコスト上昇に繋がる可能性がある。また、海外経済の減速も影響を及ぼす可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は、2025年3月期第2四半期末に65.00円を予定しており、前期と変わらない。配当額の変更がない理由は、安定した利益成長を背景にした株主還元の方針によるものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績が好調であり、次期業績成長率も期待できるため、投資家の信頼感が高まり株価にポジティブな影響を与えると考えられる。