大塚商会の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済は緩やかな回復基調にあり、特にIT投資分野では企業のソフトウエア投資計画が高い水準を維持している。生産性向上やコスト削減を目的としたデジタル化の需要が強く、企業のIT投資は底堅く推移している。
・競争における供給の状況：IT業界全体での競争が激化しており、特にAIやデジタル化に関連するサービスの提供が求められている。企業は新たな技術を取り入れ、効率的なサービスを提供することが求められている。
・既存競合他社について：大塚商会の競合には、同様のITサービスを提供する企業が多数存在し、特に中堅・中小企業向けのサービスにおいては競争が激しい。競合他社は価格競争やサービスの多様化を進めている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にAIやクラウドサービスに特化したスタートアップが増加しており、これらの企業は革新的な技術を用いて市場に挑戦している。
・代替品について：代替品としては、オープンソースソフトウェアやクラウドベースのサービスが挙げられ、これらはコスト面での優位性を持つため、企業の選択肢を広げている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高が822,262百万円で前年同期比11.1％増、営業利益は52,169百万円で10.1％増、経常利益は54,015百万円で10.6％増、親会社株主に帰属する四半期純利益は36,631百万円で10.5％増となった。前年同期と比較して増収増益を達成し、売上高及び各利益は過去最高を記録した。前期との差異としては、IT投資需要の堅調さが寄与している。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上高が1,055,000百万円、営業利益が69,500百万円、経常利益が70,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が48,700百万円とされている。リスク要因としては、地域紛争の拡大や金融政策の変更、物価上昇の継続が挙げられるが、個人消費の持ち直しや設備投資の増加が期待されている。IT市場においては、Windows 10のサポート終了に伴うパソコンの更新需要が見込まれ、企業のIT投資は底堅く推移する見込み。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当金は70.00円であり、前期からの変更はない。配当額の変更理由は、株式分割を考慮した結果であり、株式分割を考慮しない場合の配当金は140円となる。株主還元に関しては、安定した配当政策を維持する方針が示されている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。