共英製鋼の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の建設需要は企業の設備投資と公共投資が安定して続いているが、資材価格の上昇や人手不足、猛暑による工期の遅延が影響し、全体的には低調な推移を見せている。特に、国内鉄鋼事業においては、製品出荷量が前年同期比で減少している。
・競争における供給の状況：国内外の競争環境は厳しく、特に中国経済の低迷が影響を及ぼしている。ベトナム市場では政治的要因による需要の低迷が続いているが、北米市場ではカナダ拠点が好調である。
・既存競合他社について：国内の鉄鋼業界には多くの競合他社が存在し、価格競争が激化している。特に、医療廃棄物処理においては競合先との価格競争が影響している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向については具体的な情報はないが、業界全体の競争が激化しているため、新規参入の障壁は高いと考えられる。
・代替品について：代替品としては、他の素材（アルミニウムやプラスチックなど）が考えられるが、鉄鋼の特性を活かした用途においては依然として需要が高い。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結売上高は161,037百万円で前年同期比3.5％の増収となったが、営業利益は5,915百万円で40.5％の減益、経常利益は6,135百万円で38.6％の減益、親会社株主に帰属する中間純利益は5,066百万円で35.6％の減益となった。前年同期の業績と比較すると、特別利益として計上した保険金や助成金が影響しているが、全体的には厳しい業績となっている。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想では、国内鉄鋼事業の需要が低調に推移する見込みであるが、原材料価格の低下により売買価格差が拡大することが期待されている。海外鉄鋼事業については、ベトナム市場の回復が見込まれるものの、中国の不動産不況の影響が続くため、全体として計画を下回る見通しである。リスク要因としては、米国拠点の業績回復が遅れていることや、競争環境の激化が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において30.00円の配当が予定されており、通期では60.00円を見込んでいる。前期からの変更はないが、業績の厳しさを考慮すると、今後の配当政策に影響を与える可能性がある。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや下落」と予想される。業績が厳しい状況であり、次期業績予想も当期業績と同水準であるため、株価の反応はネガティブなものになると考えられる。