ステップの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：教育業界においては、少子化の影響を受けつつも、質の高い教育を求めるニーズは依然として存在する。特に、受験対策や進学実績の向上を目指す家庭からの需要が高まっている。特に神奈川県内では、進学実績の良い塾への需要が強い。
・競争における供給の状況：競合他社も多く存在し、特に大手塾や個別指導塾が市場において強い影響力を持つ。新規参入も見られるが、既存のブランド力や実績を持つ企業が優位に立っている。
・既存競合他社について：主要な競合には、河合塾や駿台予備校などがあり、特に大学受験に強い。これらの企業は長年の実績とブランド力を持ち、顧客の信頼を得ている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特にオンライン教育や個別指導に特化した形で増加している。これにより、従来の塾業界に新たな競争が生まれている。
・代替品について：オンライン学習プラットフォームや家庭教師サービスが代替品として台頭しており、特にコスト面や利便性で競争力を持つ。これにより、従来の塾に通うことを選ばない家庭も増えている。

2. 当期業績の内容

2024年9月期の業績は、売上高15,098百万円（前年同期比4.5％増）、営業利益3,511百万円（同10.0％増）、経常利益3,564百万円（同10.5％増）、当期純利益2,508百万円（同4.3％増）となった。前年同期に比べて生徒数が増加し、特に夏期講習後の入会者が多かったことが業績を押し上げた。前期との比較では、営業利益が大幅に改善しており、経常利益も増加しているが、純利益の伸びはやや鈍化している。

3. 次期業績予想の内容

2025年9月期の業績予想は、売上高15,714百万円（前年同期比4.1％増）、営業利益3,674百万円（同4.6％増）、経常利益3,709百万円（同4.1％増）、当期純利益2,541百万円（同1.3％増）とされている。新規開校や生徒数の増加が見込まれる一方で、少子化の影響や競争の激化がリスク要因として挙げられる。特に、広告宣伝費の抑制が今後の成長にどのように影響するかが注目される。

4. 投資に関する事項

配当は、年間77.00円（前期比5.56％増）と予想されており、配当性向は49.5％となる見込み。配当額の増加は、安定した利益成長を背景にしたものであり、株主還元の姿勢を示している。自己株式の取得も行われており、株主価値の向上に寄与している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率も当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は安定すると考えられる。市場全体の動向や競争環境の変化にも注意が必要である。