ルネサスエレクトロニクスの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動車向け事業は円安効果により売上が増加したが、産業・インフラ・IoT向け事業は市場の軟化と流通在庫の調整により減少している。特に、産業向け市場の需要が低迷している。
・競争における供給の状況：半導体業界全体で供給過剰感が見られ、特に産業向けの供給が需要に対して過剰になっている。自動車向けは需要が堅調だが、供給の調整が求められる状況。
・既存競合他社について：競合他社は、特に自動車向け半導体市場での競争が激化しており、価格競争や技術革新が求められている。主要な競合には、NXPセミコンダクターズやインフィニオンテクノロジーズが存在する。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、特にIoT関連のスタートアップが増加しており、技術革新を通じて市場に影響を与える可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の半導体メーカーの製品や、特にアナログ半導体の代替品が考えられるが、特定の用途においては代替が難しい場合も多い。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上収益が1,055,879百万円で前年同期比4.7%減少した。営業利益は204,794百万円で35.7%の減少、税引前四半期利益は238,597百万円で30.5%減少した。親会社の所有者に帰属する四半期利益は200,261百万円で26.1%減少した。業績の減少は、主に産業・インフラ・IoT向け事業の売上減少によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上収益が1,326,879百万円から1,341,879百万円の範囲で、前年比9.7%から8.7%の減少が見込まれている。Non-GAAP売上総利益率は55.6%、営業利益率は28.9%と予想されている。リスク要因としては、産業向け市場のさらなる軟化や、円安の影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の第3四半期まで配当は支払われておらず、年間配当金は0円である。前期からの変更はなく、今後の配当方針については未定である。自社株買いについての情報は記載されていない。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや下落」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績予想が当期業績と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」であるが、業績の減少が続くことから、投資家の心理に影響を与える可能性が高い。