アルプスアルパインの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：車載市場では自動車生産が増加しており、特に新興市場の自動車メーカーの台頭が影響を与えている。モバイル市場では大手スマートフォンメーカー向けの需要が堅調で、民生市場ではゲーム機器や電子部品の需要が拡大している。
・競争における供給の状況：円安が進行しており、輸出企業にとっては有利な状況が続いている。供給側では、部品の調達や生産能力の拡大が求められている。
・既存競合他社について：競合他社は、特に車載市場において新技術の開発やコスト競争力の強化を進めており、競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に電動車両関連の技術を持つ企業が増えており、既存企業に対する脅威となっている。
・代替品について：代替品としては、他の電子部品メーカーの製品や新興技術を持つ企業の製品が挙げられ、特に自動運転技術やIoT関連製品が注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高490,311百万円（前年同期比3.2％増）、営業利益11,214百万円（5.4％増）、経常利益8,193百万円（51.6％減）、親会社株主に帰属する中間純利益1,014百万円（84.9％減）となった。売上高は円安の影響を受けて増加したが、経常利益と純利益は大幅に減少した。これは、為替差損や特別損失の影響が大きい。前期と比較して、営業利益は増加したものの、経常利益の減少が目立つ。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高940,000百万円（前期比2.5％減）、営業利益23,000百万円（16.7％増）、経常利益19,000百万円（23.4％減）、親会社株主に帰属する当期純利益30,000百万円（増減なし）とされている。モバイル市場向け製品の好調が見込まれる一方で、主要顧客の新車販売の苦戦が長期化するリスクがある。為替変動や市場の需要変動もリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に30.00円の配当を予定しており、年間配当は60.00円を見込んでいる。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当の維持は、株主還元の一環として重要視されている。

5. 株価予想

上記を考慮し向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績予想も当期業績と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。