アルプス物流の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済は緩やかな回復を見せているが、個人消費は依然として弱い。特に電子部品業界では、車載関連の生産が堅調である一方、半導体市場は生成AI向けの需要が高まっている。
・競争における供給の状況：国際輸送においては、航空輸送から海上輸送へのシフトが見られ、これにより航空輸送の需要が減少している。新倉庫の立ち上げに伴う一時的なコストも影響している。
・既存競合他社について：競合他社は、電子部品物流や消費物流においても同様の課題に直面しており、特に人材確保が業界全体の課題となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は明確ではないが、物流業界全体の成長に伴い、新たなプレイヤーが市場に参入する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の物流手段や自社配送の選択肢が考えられるが、特に電子部品においては専門的な物流が求められるため、代替品の影響は限定的である。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高60,984百万円（前年同期比4.3％増）、営業利益2,660百万円（同3.9％減）、経常利益2,442百万円（同24.9％減）、親会社株主に帰属する中間純利益1,508百万円（同19.6％減）であった。前年同期と比較して売上は増加したものの、利益面では減少が見られた。特に経常利益の減少は、外注費や労務費の増加が影響している。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想は記載されていないが、LDEC株式会社による公開買付けにより、当社株式は上場廃止となる予定である。リスク要因としては、公開買付けの進展や市場環境の変化が挙げられる。特に、外需の回復が続くかどうかが業績に大きな影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末及び期末の配当を行わないことが決議されている。これは、LDEC株式会社による公開買付けを考慮したものであり、株主還元の方針が変更されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「大きく下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績予想が記載されていないため、投資家の不安が高まり、株価にネガティブな影響を与えると考えられる。