ＡＳＴＩの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、車載電装品、民生産業機器、ワイヤーハーネス、その他のセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の自動車生産の停滞や中国市場の景気低迷が影響し、特に電気自動車市場における過当競争が需要に悪影響を及ぼしている。主力の二輪車や船外機市場でも在庫調整が続いており、需要の回復が見込まれない。
・競争における供給の状況：供給側では、円安による資材価格の上昇が影響し、コストの転嫁が難しい状況が続いている。特に、ワイヤーハーネスの採算性が悪化している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境に直面しており、特に中国のEVメーカーとの競争が激化している。国内外の競合が価格競争を強化しているため、利益率が圧迫されている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に電気自動車関連の分野で増加しており、技術革新を背景に競争が激化している。これにより、既存企業は市場シェアを維持するための戦略を見直す必要がある。
・代替品について：代替品としては、電気自動車の普及に伴い、バッテリー関連製品や新しい電装品が挙げられる。これらの製品は、従来の内燃機関車両に対する需要を減少させる可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高30,533百万円（前年同期比1.1％増）であったが、営業利益は533百万円（同53.7％減）、経常利益は356百万円（同80.3％減）、親会社株主に帰属する中間純利益は160百万円（同89.4％減）となった。前年同期の好調な受注後の在庫調整や、円安による資材価格の上昇が影響し、利益が大幅に減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高61,000百万円（前期比△4.1％）、営業利益1,300百万円（同△41.8％）、経常利益800百万円（同△74.0％）、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円（同△81.4％）とされている。業績予想の根拠としては、インド市場への営業活動の強化や新規工場の増設計画が挙げられるが、円安や原材料価格の上昇、競争の激化がリスク要因として存在する。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期の配当は0.00円であり、次期の配当予想は50.00円とされている。配当額の変更理由は、業績の悪化に伴う利益剰余金の減少が影響している。

5. 株価予想

上記を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「下落」と予想される。業績が大幅に減少しており、次期業績予想も厳しいため、投資家の信頼感が低下する可能性が高い。