中央発條の決算短信<2025年３月期 第２四半期（中間期）決算短信〔日本基準〕(連結)>銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内市場では新製品スタビライザの量産開始により需要が増加している。労務費や鋼材、資材のインフレ影響を受けつつも、顧客への売価反映が進んでいる。一方、海外市場では中国をはじめとする北米、アジア地域での需要が減少しているが、グローバル全体では増加傾向にある。
・競争における供給の状況：供給側では、原材料の調達コストが上昇しているが、企業はグローバル調達ソーシングの改善やエンジニアリング調達の推進によりコスト低減を図っている。
・既存競合他社について：競合他社も同様にインフレの影響を受けているが、技術革新や新製品の投入により競争力を維持している。特に、環境対応技術を持つ企業が注目されている。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に環境技術やEV関連の分野で増加しており、競争が激化している。これにより、既存企業はさらなる技術革新が求められている。
・代替品について：代替品としては、他の素材や技術を用いた製品が増えており、特に環境に配慮した製品が市場での競争力を高めている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が532億5千6百万円で前年同期比5.8％増加した。営業利益は17億6千万円で158.4％の増益を記録したが、経常利益は17億8千7百万円で20.8％減少し、親会社株主に帰属する中間純利益は12億4千8百万円で11.7％減少した。経常利益と純利益の減少は、円高による為替評価損が影響している。業績は当初の予想を上回る進捗を見せているが、海外市場の減少が懸念材料となっている。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高106,000百万円、営業利益2,700百万円、経常利益3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,700百万円とされている。これらの予想は、国内生産の増加と新製品の投入による需要拡大を根拠としている。ただし、海外市場の不透明感やインフレの影響がリスク要因として挙げられている。特に、インド市場への進出や新規事業の展開が今後の成長に寄与する可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に14.00円の配当を予定しており、前期からの増加が見込まれている。配当額の変更は、業績の改善に伴う株主還元の一環として行われる。今後も安定した配当政策を維持する方針である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや上昇」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績予想も堅調であるため、投資家の期待感が高まると考えられる。特に、新製品の市場投入や海外市場の回復が株価にプラスの影響を与える可能性がある。