日産自動車の銘柄分析

1. 環境分析

日産自動車株式会社は、自動車製造業を主なビジネスとしており、セグメント情報には乗用車、商用車、電気自動車（EV）、および関連サービスが含まれる。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：グローバルな自動車需要は前年同会計期間に比べ2.0%増加したが、日産の小売台数は1.6%減少した。特に、EV市場の成長が期待される中、競争が激化している。
・競争における供給の状況：供給側では、半導体不足や原材料費の高騰が影響し、製造能力に制約が生じている。これにより、納期遅延や生産調整が発生している。
・既存競合他社について：トヨタやホンダなどの国内競合他社は、EVやハイブリッド車の開発に注力しており、日産もこれに対抗する必要がある。特にトヨタは、ハイブリッド技術での強みを持っている。
・新規参入企業について：テスラをはじめとする新興EVメーカーが市場に参入しており、特に若年層を中心に人気を集めている。これにより、従来の自動車メーカーは新たな競争圧力に直面している。
・代替品について：公共交通機関やカーシェアリングサービスの普及が進んでおり、特に都市部では自動車の需要が減少する可能性がある。これにより、消費者の選択肢が広がっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が5,984,221百万円で前年同期比1.3%減、営業利益は32,908百万円で90.2%減、経常利益は116,057百万円で71.9%減、親会社株主に帰属する中間純利益は19,223百万円で93.5%減となった。業績の悪化は、販売台数の減少、販売奨励金の増加、インフレーションの影響によるものである。前期との比較では、売上高は減少し、営業利益は大幅に減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高12,700,000百万円（0.1%増）、営業利益150,000百万円（73.6%減）とされている。業績予想の根拠としては、販売台数の回復が期待される一方で、原材料費の高騰や競争の激化がリスク要因として挙げられる。特に、EV市場の成長が業績に与える影響は大きいが、供給チェーンの問題が解決しない限り、業績の回復は難しいと考えられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期の配当金は0.00円であり、前年同期の5.00円から大幅に減少した。これは、業績の悪化に伴い、株主還元を見直す必要があったためである。次期の配当予想については未定であり、業績の回復が見込まれる場合には再評価される可能性がある。

5. 株価予想

上記を考慮すると、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。