日本ケミコンの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動車関連市場は電気自動車（EV）の販売減速や部品在庫調整により軟調。産業機器関連市場は中国経済の減速に伴う企業投資の抑制が影響し、在庫調整が続いている。ICT関連市場はパソコン出荷台数が緩やかに回復し、データセンター向けAIサーバーの需要が急増。
・競争における供給の状況：供給側では、製造業全体が生産活動の弱含みを示しており、特に自動車部品の供給が影響を受けている。ハイブリッドコンデンサの新製造棟の設立など、企業は生産体制の強化を図っている。
・既存競合他社について：競合他社は、特に自動車部品や電子機器市場において、価格競争や技術革新を進めており、シェアの獲得を目指している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に環境に配慮した製品や新技術を持つ企業が増加しており、競争が激化している。
・代替品について：代替品としては、他の電気部品や新しい技術を用いた製品が増えており、特にエネルギー効率の高い製品が注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が599億14百万円で前年同期比25.4％減、営業利益は18億50百万円で63.9％減、経常利益は2億98百万円で94.4％減、親会社株主に帰属する中間純利益は78百万円となった。前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失が227億81百万円であったため、改善が見られる。業績予想との乖離は、特に営業利益と経常利益の減少が大きい。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高133,000百万円、営業利益7,200百万円、経常利益5,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円とされている。リスク要因としては、米国や中国の経済動向、為替変動、部品供給の不安定さが挙げられる。特に、為替差損の影響が業績に与える影響が懸念されている。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末においても配当は0.00円であり、前期からの変更はない。期末配当予想については未定であり、今後の業績動向を見極める必要がある。株主還元策としては、自社株買いの計画は現時点では発表されていない。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であれば、株価の反応は横ばいであると考えられる。