ＴＡＣの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は資格取得支援事業を中心に、個人教育事業、法人研修事業、出版事業、人材事業の4つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：資格取得を目指す受講者の増加が見込まれる一方で、経済状況や雇用環境の変化により、受講者数に影響が出る可能性がある。特に公務員試験や資格試験の実施時期に合わせた需要の変動が顕著である。
・競争における供給の状況：競合他社も同様の資格取得支援サービスを提供しており、価格競争が激化している。特にオンライン教育の普及により、低価格でのサービス提供が可能な企業が増加している。
・既存競合他社について：大手の教育機関やオンラインプラットフォームが競合として存在し、特にオンライン講座の充実が競争力を高めている。
・新規参入企業について：新たにオンライン教育市場に参入する企業が増えており、特にテクノロジーを活用した新しい学習方法を提供する企業が注目されている。
・代替品について：資格取得のための独学や他のオンライン講座、YouTubeなどの無料コンテンツが代替品として存在し、受講者の選択肢が広がっている。

2. 当期業績の内容

当期の業績は、現金ベース売上高が101億3千7百万円で前年同期比1.5％増、発生ベース売上高は101億3千5百万円で0.1％増となった。売上原価は58億3千8百万円で4.8％減、販売費及び一般管理費は34億7千3百万で7.2％減少した。これにより営業利益は8億2千3百万円で225.5％増、経常利益は8億4千4百万円で272.2％増となった。特別損益を考慮した中間純利益は5億7千8百万円で231.2％増となった。前期との差異として、特に営業利益の大幅な増加が目立つ。

3. 次期業績予想の内容

次期の業績予想は、現金ベース売上高が105億円を超える見込みで、前年同期比での成長が期待される。特に個人教育事業の回復が見込まれ、法人研修事業も堅調に推移する見込みである。ただし、経済環境の変化や競争の激化がリスク要因として挙げられる。特に新規参入企業の増加や代替品の影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

株主還元については、配当金の増額が計画されており、前期からの増配が見込まれている。これは業績の改善を受けたものであり、株主への還元を重視する姿勢が示されている。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「上昇」と予想する。業績の改善と配当の増額が株価を押し上げる要因となると考えられる。