東邦瓦斯の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：ガス・LPG・電気の需要は安定しているが、特に電気の需要は前年同期比で10.1%増加しており、顧客数も増加している。家庭用ガスは気温の影響で若干の増加が見られたが、業務用は減少している。
・競争における供給の状況：供給側では、原油価格の変動が影響を及ぼしており、原材料費の調整が必要となっている。供給販売費及び一般管理費は前年同期比で増加している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の市場環境にあり、価格競争が激化している。特に電力会社との競争が影響を与えている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、再生可能エネルギーの普及に伴い、エネルギー市場に新たなプレイヤーが登場する可能性がある。
・代替品について：代替エネルギーとしての再生可能エネルギーの利用が進んでおり、特に家庭用の太陽光発電などが競争要因となっている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高293,404百万円、営業利益19,098百万円、経常利益22,839百万円、親会社株主に帰属する中間純利益17,989百万円である。前年同期比で売上高は2.5%減少し、営業利益は33.7%減少した。減益の主な要因は、原料費調整制度による原材料費と売上高の期ずれ差益が縮小したことにある。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の連結業績予想は、売上高640,000百万円、営業利益23,000百万円、経常利益30,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益23,000百万円である。売上高は前期比1.1%の増加が見込まれているが、営業利益は31.5%の減少が予想されている。リスク要因としては、原油価格の変動や為替レートの影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において40.00円の配当が予定されており、前期からの変更はない。株主還元の方針は維持されているが、業績の減少を受けて配当の持続可能性が懸念される。

5. 株価予想

上記を考慮し向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績予想が当期業績と同水準であれば、株価の反応は「横ばい」であるが、業績の減少が続く場合、投資家の信頼感が低下し、株価は下落する可能性が高い。