鳥越製粉の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は、製粉業を中心とした食品関連事業を展開している。主なセグメントは、製粉、食品、精麦、飼料、その他である。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済は緩やかな回復基調にあるが、消費者の節約志向が強まっており、食品業界全体での需要は厳しい状況が続いている。特に、エネルギー価格や物流コストの高騰が影響している。
・競争における供給の状況：原材料価格の高騰が続いており、供給側もコスト上昇に直面している。これにより、製品価格の引き下げが難しく、利益率が圧迫されている。
・既存競合他社について：競合他社も同様のコスト上昇に直面しており、価格競争が激化している。特に、業務用小麦粉市場では競争が厳しく、シェアの維持が課題となっている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動きは少ないが、既存企業の競争が激化する中で、ニッチ市場を狙った新規参入の可能性はある。
・代替品について：代替品としては、グルテンフリーや低糖質の製品が増加しており、消費者の健康志向に応じた製品開発が求められている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高19,404百万円で前年同期比0.2％減少した。営業利益は712百万円で5.2％減、経常利益は967百万円で3.2％減、親会社株主に帰属する四半期純利益は699百万円で4.0％減少した。業績の減少は、原材料価格の上昇や物流費の増加が主な要因である。前期と比較して、売上高は微減であったが、コストの増加が利益を圧迫した。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の業績予想は、売上高28,000百万円、営業利益1,400百万円、経常利益1,670百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,130百万円とされている。業績成長の根拠は、新たな中期経営計画「TTC150 Stage3」に基づく施策の実施である。ただし、原材料価格の変動や地政学的リスクがリスク要因として挙げられ、これらが業績に与える影響が懸念される。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当金は20.00円であり、前期の17.00円から増加する見込みである。配当額の増加は、利益剰余金の増加に基づくものであり、株主還元の意向が示されている。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。