コニシの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本経済は雇用や所得環境の改善に伴い個人消費が回復している。特に、ホームセンターやコンビニエンスストア向けの需要は堅調であり、建築資材向けの新製品も市場での採用が進んでいる。
・競争における供給の状況：供給面では、原材料の価格高騰や中国経済の減速が影響を及ぼしている。特に樹脂原料の販売が減少しており、競争が激化している。
・既存競合他社について：競合他社は新製品の開発や市場開拓を進めており、特に自動車や電子部品向けの接着剤市場での競争が顕著である。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存の競合が新たな製品ラインを展開することで競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の接着剤や建材が考えられ、特に環境に配慮した製品が注目されている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期中間期の業績は、売上高657億74百万円（前年同期比0.7％増）、営業利益48億86百万円（前年同期比1.1％減）、経常利益51億66百万円（前年同期比0.8％減）、親会社株主に帰属する中間純利益は33億47百万円（前年同期比1.5％減）であった。前期に比べて売上は微増したものの、利益は減少しており、特に営業利益の減少が目立つ。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

次期業績予想は、売上高139,000百万円（前年比4.5％増）、営業利益10,700百万円（前年比4.0％増）、経常利益11,000百万円（前年比1.8％増）、親会社株主に帰属する当期純利益7,400百万円（前年比0.8％増）とされている。新製品の市場導入や設備投資の効果が期待されるが、リスク要因としては、原材料価格の変動や中国経済の影響が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末において1株当たり16.50円の配当が予定されている。前期からの減少が見られるが、これは利益の減少を反映したものである。株主還元の姿勢は維持されているが、今後の業績に応じた見直しが必要となる可能性がある。

5. 株価予想

上記を考慮し、向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや上昇」と予想する。業績の安定性や新製品の市場導入が期待される一方で、外部環境の不透明感も影響するため、急激な変動は考えにくい。