日本瓦斯の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：2024年の夏は記録的な高温が続き、エネルギー需要が増加したが、販売量は伸び悩んだ。特に都市ガスのスライドタイムラグの影響が縮小し、需要の変動が見られる。
・競争における供給の状況：エネルギー供給は地政学リスクやサプライチェーンの問題に影響を受けており、安定供給が求められている。特に、米中関係やロシアのウクライナ侵攻が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：LPガス業界は事業者数が減少しており、競争が激化している。顧客獲得のためのコストが増加しており、競争力を維持するための戦略が必要。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、業界の集約が進む中で、M&Aを通じた競争力強化が期待される。
・代替品について：電気や再生可能エネルギーの普及が進んでおり、ガスの需要に影響を与えている。特にハイブリッド給湯器や太陽光発電の導入が進んでいる。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高86,049百万円（前年同期比0.6%増）、営業利益2,307百万円（同49.5%減）、経常利益2,412百万円（同48.8%減）、親会社株主に帰属する中間純利益1,609百万円（同51.0%減）であった。前期に比べて営業利益が大幅に減少したのは、顧客獲得費用の増加と販売量の伸び悩みが影響したためである。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高200,000百万円（前年同期比2.9%増）、営業利益20,000百万円（同14.7%増）、経常利益20,000百万円（同13.6%増）、親会社株主に帰属する当期純利益14,000百万円（同29.3%増）とされている。リスク要因としては、顧客獲得にかかるコストの増加や、地政学リスクによるエネルギー価格の変動が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当は2025年3月期第2四半期末に46.25円を予定しており、前期の37.50円から増加している。これは、顧客基盤の拡大に伴う利益の増加を見込んでの株主還元策である。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや上昇」と予想する。業績の回復が見込まれる中で、株主還元の強化が株価を押し上げる要因となると考えられる。