カンロの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：日本のキャンディ市場は、個人消費の回復に伴い、全体的に販売金額が前年を上回って推移している。特に、のど飴やグミの需要が高まっており、セルフケアの意識の高まりが影響している。
・競争における供給の状況：原材料価格の上昇が続いているが、一部商品の価格改定や内容量の変更により、企業はコストを吸収しつつ供給を維持している。
・既存競合他社について：競合他社も同様に価格改定を行っており、特にグミ市場では新商品やプロモーションが活発で、競争が激化している。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は明確ではないが、健康志向の高まりに応じた新商品が市場に登場する可能性がある。
・代替品について：健康志向の高まりにより、低カロリーや無添加のスナック類が代替品として注目されているが、キャンディ市場においては依然として需要が高い。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の売上高は226億79百万円で、前年同期比10.0％の増加。営業利益は31億47百万円で、前年同期比40.8％の増益。経常利益は31億69百万円、四半期純利益は23億34百万円で、前年同期比50.5％の増益となった。前期との比較では、売上高は増加したものの、営業利益の増加率は前年の72.6％から大幅に減少している。業績予想との乖離は見られない。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の通期業績予想は、売上高30,800百万円、営業利益3,810百万円、経常利益3,830百万円、当期純利益2,800百万円を見込んでいる。リスク要因としては、原材料価格の変動や海外経済の影響が挙げられる。特に、欧米の高金利や中国の不動産市場の停滞が国内景気に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当額は80.00円で、前期からの増加が見込まれている。配当額の変更理由は、業績の向上に伴う株主還元の強化である。配当支払開始予定日は未定。

5. 株価予想

上記を考慮し向こう3ヶ月以内の株価変化を「やや上昇」と予想する。業績の好調さや配当の増加が株価を押し上げる要因となると考えられるが、外部環境の不透明さも影響する可能性がある。