自重堂の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は衣料品製造販売を行っており、主にストレッチ素材やリサイクル素材を使用した商品を展開している。環境分析は以下の通り。
・競争における需要の状況：経済活動の正常化が進む中、インバウンド需要の拡大や雇用環境の改善が見られるが、物価高や国際情勢の不安定さから消費は抑制されている。特に、個人需要や企業の更新需要が低調である。
・競争における供給の状況：競合他社も同様にコスト上昇に直面しており、価格競争が激化している。企業はコストダウンや経費削減に努めているが、原材料価格の上昇が影響を及ぼしている。
・既存競合他社について：競合他社は機能性や環境配慮型商品の開発を進めており、特にサステナビリティに対する取り組みが強化されている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、環境配慮型商品を扱う企業が増加しており、競争が激化する可能性がある。
・代替品について：代替品としては、他の衣料品メーカーの製品や、リサイクル素材を使用した商品が挙げられる。消費者の環境意識の高まりにより、代替品の需要が増加している。

2. 当期業績の内容

2025年6月期第1四半期の業績は、売上高3,522百万円（前年同四半期比21.4％減）、営業利益452百万円（48.4％減）、経常利益105百万円（87.9％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益74百万円（87.7％減）となった。前年同四半期は値上げ前の需要があったが、今期は価格据え置きのため前倒し需要が発生せず、物価上昇による消費抑制も影響した。

3. 次期業績予想の内容

2025年6月期の通期業績予想は、売上高17,500百万円（前期比3.8％増）、営業利益3,000百万円（14.9％増）、経常利益3,050百万円（3.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益2,100百万円（4.2％増）である。リスク要因としては、物価高や国際情勢の不安定さ、消費者の節約意識の高まりが挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年6月期の予想配当は500円であり、前期から変更はない。配当の維持は、安定した利益確保を目指す企業の方針によるものである。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。