北越メタルの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内の建設業界は緩やかに回復しているが、特に新潟県内では需要が回復している案件が増加している。全体的には建設工事の工期遅れが影響し、鋼材需要は低迷している。
・競争における供給の状況：主原料である鉄スクラップ価格は高値圏で推移しており、製品販売価格との値差が縮小している。電力コストは抑えられているものの、物流費や人件費の上昇が影響している。
・既存競合他社について：競合他社も同様の環境下で事業を展開しており、価格競争が激化している。特に、建設向け鋼材の需要が低迷しているため、競争が厳しい状況が続いている。
・新規参入企業について：新規参入企業の動向は不明だが、業界全体の厳しい環境から新規参入は難しいと考えられる。
・代替品について：代替品としては、他の金属材料や合成材料が考えられるが、鋼材の特性を代替できるものは少ないため、影響は限定的である。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高15,578百万円（前年同期比1.0％増）、営業利益276百万円（前年同期比0.9％減）、親会社株主に帰属する中間純利益199百万円（前年同期比8.2％減）であった。売上高は前年同期比で微増したものの、営業利益と純利益は減少した。これは、原材料費の高騰や物流費の上昇が影響していると考えられる。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高32,000百万円（前年同期比0.6％増）、営業利益600百万円（前年同期比13.5％増）、親会社株主に帰属する当期純利益400百万円（前年同期比14.5％減）である。業績予想は前回から修正されていない。リスク要因としては、鉄スクラップ価格の変動や建設業界の需要動向、物流費の上昇が挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期第2四半期末に10.00円の配当を予定しており、通期では35.00円を見込んでいる。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当額の変更がない理由としては、業績の安定性を重視しているためと考えられる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。