Ｊ−オイルミルズの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済は緩やかな回復基調にあるが、物価上昇や円安の影響で消費者の節約志向が強まっている。特に家庭用油脂市場では、オリーブオイルの値上げが需要に影響を与えている。
・競争における供給の状況：原材料価格の変動が激しく、特に大豆や菜種の相場が影響を及ぼしている。供給側では、南米の天候不順や米国の作付面積の増加が影響している。
・既存競合他社について：競合他社は価格競争を強化しており、特に高付加価値商品に注力している。市場シェアを維持するために、各社が差別化戦略を模索している。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、健康志向の高まりに伴い、オーガニックや特定の機能性を持つ製品を提供する企業が増加している。
・代替品について：植物性オイルや代替脂肪の需要が高まっており、特に健康志向の消費者に支持されている。これにより、従来の油脂製品の需要が影響を受ける可能性がある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の業績は、売上高116,306百万円（前年同期比6.7％減）、営業利益5,446百万円（前年同期比10.3％増）、経常利益5,591百万円（前年同期比11.3％増）、親会社株主に帰属する中間純利益3,568百万円（前年同期比4.2％増）であった。売上高の減少は、家庭用油脂の販売数量が前年同期を下回ったことが主な要因である。一方、営業利益と経常利益は原材料価格の適正化や高付加価値商品の拡販により増加した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の通期業績予想は、売上高230,000百万円（前年同期比5.9％減）、営業利益8,500百万円（前年同期比17.3％増）、経常利益9,500百万円（前年同期比5.1％増）、親会社株主に帰属する当期純利益6,500百万円（前年同期比4.3％減）である。業績予想の根拠は、インバウンド需要の回復や高付加価値商品の需要増加にある。ただし、原材料価格の変動や円安の影響がリスク要因として挙げられる。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末配当金は30円であり、期末配当金は40円（うち記念配当10円）を予定している。前期からの変更はなく、安定した配当政策を維持している。配当額の増加は、業績の改善を反映したものである。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。