東京瓦斯の銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：都市ガスの販売は、家庭用需要が高気温の影響で減少したが、発電向け需要の増加により工業用及び他事業者向け供給が増加した。全体として都市ガス販売量は前年同期比0.4％増加した。
・競争における供給の状況：原材料費の上昇が影響し、営業費用が前年同期比で増加した。特に原油価格の上昇が顕著で、これがコストに直接的な影響を与えている。
・既存競合他社について：競合他社も同様に原材料費の上昇に直面しており、価格競争が激化している。特に、電力市場においては、他のエネルギー供給者との競争が影響を及ぼしている。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、再生可能エネルギーの普及に伴い、エネルギー市場における競争が変化している。特に、太陽光発電や風力発電の企業が注目されている。
・代替品について：代替エネルギー源としての再生可能エネルギーの需要が高まっており、特に家庭用の電力供給においては、太陽光発電が競争力を持ち始めている。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の連結業績は、売上高1,221,494百万円で前年同期比4.0％減少した。営業利益は38,231百万円で70.5％減、経常利益は28,703百万円で80.6％減、親会社株主に帰属する中間純利益は17,170百万円で83.5％減少した。業績の悪化は、原材料費の上昇と販売単価の減少が主な要因である。前期との比較では、売上高が減少し、利益も大幅に減少した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高2,653,000百万円で前年同期比0.4％減、営業利益125,000百万円で43.3％減、経常利益106,000百万円で53.5％減、親会社株主に帰属する当期純利益81,000百万円で52.3％減と予想されている。リスク要因としては、原材料費のさらなる上昇や為替変動、競争の激化が挙げられる。特に、原油価格の変動が業績に与える影響は大きい。

4. 投資に関する事項

配当については、2025年3月期の第2四半期末に35.00円の配当を予定している。前期からの変更はないが、業績の悪化を受けて配当の維持が難しい状況になる可能性がある。株主還元策としては、自己株式の取得も進めており、株主価値の向上を目指している。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「やや下落」と予想する。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績予想も厳しい見通しであるため、投資家の信頼感が低下し、株価にネガティブな影響を与える可能性が高い。