マブチモーターの銘柄分析

1. 環境分析

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：自動車電装機器市場は、パーキングブレーキやバルブ用の需要が増加しており、特に中型電装用途での成長が顕著である。ライフ・インダストリー機器市場では、健康・医療用機器の需要が堅調で、特に血圧計用ポンプの販売が好調である。
・競争における供給の状況：供給側では、円安の影響を受けてコストが上昇しているが、企業は価格戦略やプロダクトミックスの改善により利益を確保している。
・既存競合他社について：競合他社は、技術革新やコスト競争力を強化しており、特に自動車部品メーカーが市場シェアを拡大している。
・新規参入企業について：新規参入企業は、特に技術革新を武器にしたスタートアップが増えており、既存企業に対する競争圧力が高まっている。
・代替品について：代替品としては、電動化の進展に伴い、従来の機械式部品から電動部品へのシフトが進んでおり、これが市場に影響を与えている。

2. 当期業績の内容

2024年12月期第3四半期の連結業績は、売上高146,098百万円（前年同期比13.2％増）、営業利益15,925百万円（前年同期比80.8％増）、経常利益18,159百万円（前年同期比9.4％減）、親会社株主に帰属する四半期純利益11,064百万円（前年同期比28.0％減）である。売上高は前年同期比で増加したが、経常利益は為替差損の影響で減少した。営業利益の大幅な増加は、売価やプロダクトミックスの改善によるものである。

3. 次期業績予想の内容

2024年12月期の連結業績予想は、売上高189,000百万円（前期比5.8％増）、営業利益18,900百万円（前期比21.6％増）、経常利益23,900百万円（前期比11.5％減）、親会社株主に帰属する当期純利益15,400百万円（前期比20.7％減）である。リスク要因としては、為替相場の変動や新技術の急速な進展、原材料価格の変動が挙げられる。特に為替差損が業績に与える影響は大きく、今後の為替相場の動向が注視される。

4. 投資に関する事項

配当については、2024年12月期の予想配当は38.00円であり、前期からの変更はない。配当の維持は、企業の安定したキャッシュフローを反映している。自己株式の取得や消却も行われており、株主還元に対する姿勢が見られる。

5. 株価予想

向こう3ヶ月以内の株価変化は「横ばい」と予想される。業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は横ばいであると考えられる。