横浜魚類の銘柄分析

1. 環境分析

横浜魚類株式会社は「水産物卸売業」と「不動産等賃貸事業」の2つのセグメントで構成されている。

当該企業は以下の環境に置かれている。
・競争における需要の状況：国内経済の緩やかな回復に伴い、個人消費が増加しているが、水産物の需要は魚価高による仕入コストの増加が影響し、販売数量が減少している。特に、量販店の店舗統廃合が需要に影響を与えている。
・競争における供給の状況：水産物の供給は安定しているが、仕入れコストの上昇が企業の利益を圧迫している。特に、物流費や人件費の増加が顕著である。
・既存競合他社について：競合他社も同様のコスト上昇に直面しており、価格競争が激化している。高鮮度商品を提供する企業が競争優位性を持つが、全体的な市場環境は厳しい。
・新規参入企業について：新規参入企業は少ないが、既存の競合が新たなサービスや商品を展開することで競争が激化する可能性がある。特に、オンライン販売の拡大が影響を与えるかもしれない。
・代替品について：冷凍食品や加工食品の普及により、代替品の選択肢が増えている。消費者の嗜好が変化する中で、鮮魚の需要が減少するリスクがある。

2. 当期業績の内容

2025年3月期第2四半期の売上高は9,350百万円で前年同期比3.5％減少した。営業利益は68百万円で11.9％減、経常利益は88百万円で4.9％減、純利益は81百万円で8.7％増加した。売上高の減少は販売数量の減少によるもので、利益率の改善があったものの、コストの増加が影響した。前期との比較では、売上高が減少したが、純利益は税負担の減少により増加した。

3. 次期業績予想の内容

2025年3月期の業績予想は、売上高19,400百万円で3.5％減、営業利益120百万円で25.8％減、経常利益140百万円で22.5％減、純利益100百万円で38.5％減とされている。業績予想の修正が行われており、主なリスク要因としては、仕入れコストのさらなる上昇や市場競争の激化が挙げられる。特に、インバウンド需要の変動が業績に影響を与える可能性がある。

4. 投資に関する事項

配当は2025年3月期第2四半期末に3.00円を予定しており、前期と同額である。配当額の変更はなく、安定した株主還元を目指している。

5. 株価予想

業績が当期の業績予想と同水準であり、次期業績成長率が当期実績の成長率と同水準であるため、株価の反応は「横ばい」と予想される。